コーヒーのしずくと紙のしみ

好きなこと書いていけたらいいなって思います。

オリオン座がほのめかすこと

 ふと空を見上げれば、私の住んでいる地域だとオリオン座が頭の上で輝いている時期です。じっと見ていられるほど外で呑気にしていられない季節です。気がついたら雪がちらつくようになってしまいました。今の寒さよりも明日の寒さを気にしてしまいます。

オリオン座を見ると大学3年生の冬を思い出します。あの時は恋してましたっけ。

いつもと余り変わりません。

 

 キルケゴールが言うなら、反復ということが人間の精神生活の中にないと、生涯が成り立っていかない。本質的にはそうじゃないか。あるいは、日常生活というのは、反復がどこかにない限り耐えていけないっていうことがあるんだってことになるんだ。といううことになるのでしょうか。

 

 己が既に己であるところの、存在するものを「取り戻すこと」、それが反復なのか。

未来にあるものに向けて、過去のものから取り戻されるというのが反復なのか。運命というものがあるのなら、それを否定することもまた運命であり、また否定し続けることそれ自体は反復に他ならないか。

「追憶の恋」や「恋の想起」といった反復を繰り返す。個々の記憶は反復を繰り返す。反復は繰り返すが出来事は実際には再度起こりえない。だからこ反復が反復を呼び起こし続ける。

 時間は自然に過去から未来へと流れていくが、人間の精神は反復が繰り返されていく、人間の精神のもっている在り方は本来そうなっているのだろうか。

昨日あったことをまた明日、明後日に少しずつ違うけれどまたやってしまう。1年もすれば違う反復をしている。

精神は季節のように反復し続ける。 

 

さようならだけが人生ならば

また来る春はなんだろう

 

……人生は反復にしたって、もう少しバリエーションがあってもいいんじゃないか。

と冬のオリオン座を見ると思いました。オリオン座を見ると大学3年の冬を思い出すということが大事であって、当時に何が起こったかなんてのは大した問題ではないのです。

 

 当時の気持ちの反復は、今の気持には余り関係ないです。